住宅は、土地と建物から成り立っています。そして土地には建物の周辺部分も含まれます。この周辺部分に施工される各種設備が、「外構」です。
外構と似た言葉に「エクステリア」があります。一般的には同様の意味合いで用いられますが、それぞれについて細かな違いがあります。
外構は、ガレージやカーポート、門やアプローチ、塀や生け垣、物置など、「家の外に置いたり、設置したりするものの総称」のことです。
それに対してエクステリアは、家の外に設ける構造物自体を指すというよりは、「家の外の空間・環境」を意味しています。エクステリアは、主に「インテリア」と対称的に用いられ、家の外回り全体の印象や雰囲気なども含めた意味合いで言及される言葉です。
つまり「外構工事」とは、建物の外の空間に必要な構造物を設営したり、住まいとして使いやすくするため地面を整備したりする工事のことを指しています。
- 庭(植栽や池・庭石なども含む)
- 門扉
- アプローチ(道路・門から玄関までの通路)
- フェンスや石垣、生け垣
- 玄関前など徒歩区間の手すり、スロープ
- 駐車スペース
- 駐輪場
- カーポート、ガレージ
- ポスト
- 物置、倉庫
- ガーデンルーム
外構工事の費用
1.玄関周り
玄関周りには、アプローチや門扉・門柱などの設備があります。アプローチの施工費用は20万円から50万円ほど、門周りの工事には15万円から50万円ほどが、費用の目安となります。
2.庭
庭には芝生や砂利を敷くケースのほか、庭石や植栽といったさまざまな装飾で庭園をつくるケースもあります。池など、大掛かりな構造物を設けたいと考えている方もいるでしょう。このため、庭の工事費の相場も幅広くなります。
庭の造成にかかる工事費では、長さにもよりますが、周囲にフェンスを設ける場合、20万円から80万円ほど、ブロック塀の場合は60万円から110万円ほどと高めです。また庭に砂利を敷き詰める場合は、1㎡あたり1万円から2万5000円ほどが目安となります。芝生は天然芝、人工芝、スポーツ向けの人工芝など種類によって費用が異なります。
3.駐車スペース
家の駐車場の工事は、ガレージを建てるケースとカーポートを設営するケースがあります。ガレージは建造物のため設営費用も高くなり、100万円から250万円ほどと相場の幅も広めです。カーポートは柱・屋根だけの簡易車庫のため工事費はガレージほど高くならず、30万円から55万円ほどが目安となります。
3つの外構タイプ
1.クローズ外構
敷地と周辺の境界を高めのフェンスや生け垣などで完全に区切り、外の視線を気にせず暮らせる家をつくる外構です。完全に視線を遮ってしまうものだけではなく、光を適度に入れられる塀や風通しの良いフェンスなどを選ぶこともできます。
2.オープン外構
敷地と周辺との境界に塀などを一切設けず、あえてオープンに庭などを周囲に見せる構造です。
目隠しを設けないという観点によって定義されるため、低めの塀や生け垣などが設けられていながらも、庭の全景が見えるつくりであればオープン外構とされます。
特に、北向きの家など日当たりの面で工夫が必要な住宅では、オープン外構を採用するケースが多いとされています。
3.セミクローズ外構
敷地と周囲との境界に設けるフェンスや生け垣などを、一部分にだけ設けてポイント的に目隠しをつくった外構を、セミクローズ外構と呼びます。家の一部が外から見えるとしても、侵入防止など目隠し以外の目的で一部にフェンスを設けるケースも、セミクローズ外構として扱われます。